グレッグ・アンダーソン「美しき青きドナウ」2012/01/12

 グレッグ・アンダーソンはアメリカのピアニストであり自身のピアノデュオの為の編曲でも知られる。日本では伊賀あゆみと山口雅敏両氏によって演奏紹介されている。私も両氏の実演を聴いたことがあるがまず、華やかな編曲であることに加え両パートの腕の交差や演出など厭きることがない作品となっている。
 楽譜を見ながら聴くと実に考えられた編曲であることがわかる。アンダーソンの代表曲とも言える「美しき青きドナウ」では途中「ラブストーリー」を想わせる演出も施されてあり是非男女のピアノデュオで聴きたい作品である。腕の交差もローゼンブラットの「コンチェルティーノ」程の大技では無いが中々難しく書かれてある。演奏に関してはローゼンブラットの方が簡単だろうか。
 ラフマニノフの「ヴォカリーズ」も佳作で対位法的な書法では無理に両パートに旋律を振り分けることをせず腕の交差を厭わないのは演奏上、音楽的にも無理がない。

http://www.youtube.com/watch?v=iTKyoovCdXw&feature=related